2006年02月20日

視聴率ついで話 その4

前回:視聴率ついで話 その3

「視聴率ついで話 その3」からの続きです。

3.視聴率の揺らぎ方 中編
最初は「前編、後編」の2回にするつもりでしたが、
「前編、中編、後編」の計3回おつきあい下さい。
今日は2回目にあたる中編です。

前回書いたとおり、ビデオリサーチ社が測定した視聴率は
各地区につき600世帯で測定しているので
真の視聴率、つまり全世帯で測定したと仮定したら出るはずの視聴率から揺らぎます。
実際どのくらい揺らぐかというのを正しく計算しようとすると、
人間の手では解けない計算式を解かなければならず、非常に手間です。
そこで、統計調査においてどれくらい揺らぐかというのを計算するときには
通常、近似式を用いて計算します。
恐らくTV局の視聴率解析担当者も
その近似式を用いて計算していると考えられます。
「恐らく」と付け加えるのは、現実の視聴率測定には一つおかしなところがあり
そのせいで、本当に近似式を用いてよいのか疑問符がつくからなのですが、
そのおかしなところをTV局が考慮している気配がないので
近似式を使って揺らぎを計算していると推測しています。
(「おかしなところ」については後日)

さて、普通「ある統計調査の揺らぎがどれくらいか?」と問われた場合
「揺らぎは○○%の精度で、測定された値から±△△%の範囲内に収まる」と答えます。
○○%に入る数字としては、90%、95%、99%の三種類がよく使われますが
自分が耳にした話を総合して判断すると、
視聴率調査では「95%」が使われているようです。
これはどういうことかというと、
「測定した視聴率のうち20個に1個ぐらいは、大幅にずれてるよ」
という程度の精度だということです。
以下詳しい理屈は飛ばしますが、(詳細を知りたい人は統計学の本を読んでください。)
揺らぎの近似式は視聴率の場合、次のように求められます。

x:測定された視聴率(ただし、%ではなく小数に直した値)
y(%):揺らぎ

  y=8×(√x)×(√(1-x))

「視聴率の揺らぎは95%の精度で、x%から±y%の範囲内に収まる」


例えば、測定された視聴率が10.0%であった場合
xに0.10を代入してやると、y=2.4となるので
「視聴率の揺らぎは95%の精度で、10.0%から±2.4%の範囲内に収まる」と言えます。
よって、視聴率10.0%の値が20個測定されたもののうち
1つくらいは±2.4%よりずれていることになります。

補足1
揺らぎが最大になるのは、x=0.5、つまり50%のときです。
測定された視聴率が50%から遠ければ遠いほど、
揺らぎの範囲は狭くなり、調査精度が上がります。
視聴率の場合はまず50%より低い値が出るので、
低視聴率であるほど精度の高い情報となります。

補足2
念のため。
上記の近似式は、視聴率測定の場合、
測定された視聴率が1%以下or99%以上のときは使えません。
99%はともかく、普通の番組で1%が記録されることはまず無いでしょうが。
(視聴率1%=深夜のカラーバーレベル)
                              後編へつづく
posted by 21 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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