2005年12月19日

悲しきかな、地域密着

二つほどニュースを。
まずはちょっと前の15日の記事です。

ヤクルト 来季から球団名に「東京」
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2005/12/15/01.html (スポニチ)
 [記事本文]
ヤクルトが来季から球団名に地域名「東京」を入れることを決めたことが14日、分かった。19日に開かれる実行委員会で球団名の変更を正式に申請する。「東京」の名が入るのは前身の国鉄時代も含め球団史上初。地域密着型を目指す球団改革の一環で、ファンサービス企画「F―PROJECT」を推進する古田敦也監督(40)も実行委での承認を期待した。
(中略)
球団名に「東京」を入れるのは、就任時からの念願だっただけに無理はない。自ら推進する「F―PROJECT」は地域密着型チームが最大のテーマ。球団内には企業名もなくし「東京スワローズ」への変更を推す声もある。(←有り得ません。企業名を入れないと球団の赤字補填に税金がかかってしまう。)いずれにしろ、球団名に地域名を入れるのはこれ以上ない改革。来季から一新を検討しているユニホームにも「TOKYO」が入ることになる。
(中略)
実行委での承認は、4分の3(9球団)の賛成が必要。また、巨人も同じ東京を本拠地としていることから、同じ地域の2球団が同一地域名を名乗ることになった場合の是非が議論されることも予想される。これについても古田監督は「巨人には(今も“東京”が)ついてましたっけ?でも、2チームが(同一の地域名を)つけてもいいと思いますよ」。昨年、球界再編問題に立ち向かった前労組選手会長は、地域密着こそがこれからの球界に最も必要であることを知っている。(←ある意味ではそうだし、ある意味では違う)

 球団名に「東京」がつくのは、68年の東京オリオンズ(現ロッテ)以来38年ぶりだ。来季のヤクルトは「東京」を前面に押し出してシーズンに臨むことになる。(記事終わり)


もう一発。これは今日のニュース。

「所沢ライオンズ」誕生へ
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/baseball/dec/o20051218_20.htm (報知)
 [記事本文]
「所沢ライオンズ」誕生へ―。(←注:まだ決定ではない)西武の本拠地、埼玉・所沢市議会が、19日に開かれる議会で、球団名に「所沢」を冠するよう求める請願を、全会一致で採択する見込みであることが18日、分かった。
(中略)
これには西武側も前向きだ。西武グループの中核である西武鉄道・後藤高志社長(56)が
11月18日、日テレの番組で「例えば埼玉ライオンズとか所沢ライオンズなどの名前で、地元にチームをアピールしていきたい考えはある」と発言。今回の請願書は、この発言を受けて提出されたもので、星野球団社長も「いろいろ再編を進めている中で、そういう話も出ていたことはある。話が(鉄道から)下りてくれば考えることになるでしょう」と検討を示唆。(以下省略)


一応注意したいのは、西武の方はまだ決まってないということです。
西武は本当に所沢とか埼玉とかつけるかは少し怪しい点があります。
今まで西武に地元志向がなかったのは、各地にリゾートやスキー場を持っているため
「西武=東京郊外」というイメージがつくのを嫌ったからです。
とはいえ、球団社長が前向きな発言をしているのなら実現すると思います。

かつて、ヤクルトも西武も巨人のような全国展開を目指していました。
産経系メディアはヤクルトをプッシュし、西武は強さで人気を得ようとしましたが、
これらのもくろみは失敗に終わりました。
(これを考えると圧倒的な全国人気を誇った巨人はやはりすごいと思います。
 もちろん巨人が全国的人気を得るために、読売はかなり有利な条件を持っていましたが
 それでも、読売以外の新聞社等がことごとく全国展開に失敗したのを考えると、
 全国展開を成功させ球界の主導権を握るに至った
 読売の中枢は侮れないなあと感じます
。)
一方、近年この二球団と巨人以外の球団は地域への方向性を強める流れになってきました。
それでも、ヤクルトと西武は頑なに地元志向に向かいませんでしたが
ようやく折れる日が来ました。

多分、「地域密着」という言葉が最近流行っているのと
ロッテが「地域密着」効果で何かいい感じに見えたのが理由なんでしょう。
でも、「地域密着が成功してるような」ロッテでさえ明日は不透明なのです。
地域密着で球団の利益がちょびっとでも上がるのなら、やらないよりはマシですが
たとえどんなに地域密着しようが、各球団の将来は巨人戦中継の今後に左右されてしまいます。
結局、巨人以外の球団は巨人戦中継の安泰をひたすら祈る他なく
せめて自分でできるのは地域密着策くらいなのです。
なので、地域密着策は喜ばしいことというより
各球団の無力さの表れだと僕は感じてしまいます。


あと、球団のえらい人はちゃんと地域密着の意味がわかってるのかな?
球団名に地域名を入れることが地域密着なんじゃないよ。
地元に還元するから、地域密着なんだよ。
posted by 21 at 23:31| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>各球団の将来は巨人戦中継の今後に左右されてしまいます

なんかすごい野球脳な考え方ですね。

>有り得ません。企業名を入れないと球団の赤字補填に税金
ソースは?少なくとも例の通達にそんなこと一言も書いてないし。それに連結納税制度導入でこの通達自体もうあまり関係なくなるし。
Posted by NANASI at 2005年12月21日 01:48
>各球団の将来は巨人戦中継の今後に左右されてしまいます

今の馬鹿高い選手の年棒を考えると、巨人戦の中継料(今まで1億円)あって始めて球団経営が成り立ちます。今年は各球団厳冬更改なのは、巨人戦放映削減を見込んでのことでしょう。
来年はもっとこの動きは加速すると思います。


>有り得ません。企業名を入れないと球団の赤字補填に税金

例の通達は
 ”映画、新聞、地方鉄道等の事業を営む法人(以下「親会社」という。)が、自己の子会社である職業野球団(以下「球団」という。)に対して支出した広告宣伝費等の取扱を ”
となっており、球団が会社の子会社であり、かつ宣伝広告費として機能していることが前提です。

よって、企業名を入れなければ、この”通達の枠外”と認定され、親会社の損失補填部分が課税される恐れがあります。
連結納税制度を導入すると、Jクラブの14億円が目安となります。


Posted by 上のななし様へ at 2005年12月21日 07:54
ところで。横浜は企業名が入っていませんが、親会社と球団の関係はどうなっているのでしょうか?
Posted by さか at 2005年12月21日 07:58
>有り得ません。企業名を入れないと球団の赤字補填に税金
ソースは?少なくとも例の通達にそんなこと一言も書いてないし。それに連結納税制度導入でこの通達自体もうあまり関係なくなるし。

「国税庁の指導により、
企業名を入れると数十億円の補填ができる。
企業名を入れないと数億円の補填しかできない。」
とオリックスの宮内オーナーが言ってました。

>ところで。横浜は企業名が入っていませんが、親会社と球団の関係はどうなっているのでしょうか?

なので、横浜の親であるTBSは数億円の赤字補填しかできません。
11月に「横浜10億超の赤字」というニュースがありましたが、
これは単に赤字が増えたから大変というだけでなく
補填額ぎりぎりだから問題というのもあります。

>各球団の将来は巨人戦中継の今後に左右されてしまいます
なんかすごい野球脳な考え方ですね。

僕がなぜこのような考え方をするかは
是非、12月6日、8日、11日、13日の記事をご覧下さい。
批判があれば書き込んでもらえると嬉しいです。
Posted by 21 at 2005年12月21日 22:39
>上のななし様へさん
>連結納税制度を導入すると、Jクラブの14億円が目安となります。

これはなぜでしょうか?
連結納税制度の導入前後で、球団の宣伝効果の費用換算に対する国税庁の判断は
特に変わらないと思うのですが?
調べてみてもよくわからなかったので。
Posted by 21 at 2005年12月22日 22:12
一部私も連結納税制度を誤解してましたね。

プロ野球球団の場合、万年赤字体質で事業の収益性が疑問視され果たして連結納税制度の適用が受けられるのかとの疑問があり、仮に連結納税制度の導入を認められても、今度は連結解除が認められにくくなり、また今までの経営の含み損を切り捨てられるなどデメリットも多く、球団売却の自由度にも支障をきたす恐れがあるので、親会社は導入には慎重にならざるを得ないのではと予想されます。

したがって赤字覚悟の球団経営では、例の通達内で企業の宣伝費として計上した方がメリットが多いと思います(宣伝広告費である以上チームに企業名を入れるのは当然と思われます)

Jの場合、クラブが経営独立を”一応”しており、親会社から受け取る14億は、Jクラブの”広告収入”となります。
Posted by 上のななし at 2005年12月23日 14:53
補足

以前浦和レッズが三菱自動車と、連結協定を結んでいた時、クラブが上程できる親会社からの”広告収入費”の上限も14億だったと思います。

先にも述べたとおり、今球界で連結決算でうまみがでるのは、阪神と巨人くらいではないでしょうか(球団が安定的に黒字がでて、他のグループ内の赤字部門との相殺ができるため)

もっとも球団サイドからすれば、レッズのように独立採算制にしてもらったほうが資金繰り的には、いいように思います。

それでも両球団の親会社や球団が独立採算制に移行できないのは(したくないのは)、
@親会社的には、黒字部門収益を手放したくない
A球団的には、30クラブ中28クラブが黒字決算でリーグそのものが発展過程にあるJリーグとは違い、プロ野球リーグそのものが赤字体質で将来に不安があり、独立採算制に踏み出せないといったところでしょうか(チャレンジする価値は両球団にはありますが)
Posted by 上のななし at 2005年12月24日 08:36
最後に
2005年度の球団の収益ですが(ソースはないのですが)
阪神球団は、グッズや観客動員数、ファンクラブの会員数は巨人より多いにもかかわらず、収益は巨人のほうが多いとことです。
このことにより、球団収益が放映権料に比例することがよくわかります。
Posted by 上のななし at 2005年12月24日 08:48
回答と考察、ありがとうございます。

>このことにより、球団収益が放映権料に比例することがよくわかります。

わざわざ足を運んで来てくれる観客より
TVつけっぱなしの人の方が重要ってのも、
おかしな話ですね。
Posted by 21 at 2005年12月24日 21:15
今ブロガー専用画面でIP見て気づきましたが、
さかさん=上のななしさん だったんですね。
Posted by 21 at 2005年12月24日 21:21
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